一期一会
皆様、こんにちは。
今年が明けたばかりと思っていたら、もう2月も終わりそうです。
時が経つのは早いですね。
定員を15名に上げて三か月。
近くの方から遠い方、自立を目指しておられる方から車いす卒業を目指される方まで、
いろいろな方にご利用いただき、多くの素敵な出会いを戴いております。
本日、その素敵な出会いを戴いていた方が、ご家族の介護負担軽減と御本人のご病気の進行、ご高齢も伴う体力低下により、レッツを卒業されました。
S様は退院直後の9月から週三回ご利用くださっていました。
入院中だったため御本人が見学される事無く、通所が始まりました。
ご家族のご希望であったとしても御本人にとっては「なんでこんなところへ?!」
デイサービスに来るということに納得がいかない初日。
看護師、スタッフ、皆から「ここは機能訓練をしてS様がまた歩けるようになるためにトレーニングをするところです」と丁寧に説明するところから始まりました。
通所に否定的であった初週。
体力も持久力もなくベットで横になられる時間が半分以上だった二週目。
次第に体力が付き、気持ちも前向きになられ、ベットに横になることを嫌がられるようになりました。
スタッフやメンバーの方々とコミュニケーションを交わし、笑顔が多くみられるようになり、いつの間にかすっかり溶け込んでおられました。
「スタッフの熱意を感じる」「足に良いマシンはどれだ」「ここを休むと思考能力が低下する」・・・etc.
多くの嬉しい言葉を戴きました。
秋には車いすから自ら立ち上がろうとされ、そこから手引き歩行も可能となりました。
しかし、年が明け一気に病状の進行と体力・気力の低下が見られ、主治医の先生方の助言もあり、今回の決断となりました。
周りのみんなが「もう無理」と言っても、
「自分でも限界と思っていたが、ここが好きだからここに来たかった」と御本人。
「もう限界かも、、、と思いながらも、なんとかスタッフと力を合わせて継続できる手立ては無いか」と模索していた私。
想いは通じるのです。想いは通じていました。
S様を囲む介護関係の皆様と「これからのS様の方向性」を決め、ベットに横になっておられるS様に、明るくお別れしようと、思いっきり笑顔で手を振りました。
玄関を閉め、車に乗った途端に涙が止めどなく流れてしまい、泣きながら運転して戻りました。事業所にこんな顔で戻るわけにはいかないと、気持ちを持ち直してはまたどうしようもなく流れ、「あ~、ついにお別れなんだ。。。お元気でいていただきたいな。うちで見せてくださっていた笑顔がまた次の場所でも出てくださるといいな。。私達にもっと出来ることはなかっただろうか、、、」そんなことを思いながら、、、なんとか涙を止め
「帰りましたぁ」と元気いっぱいドアを開けました。「お帰りなさーい」元気なスタッフの声に助けられました。
S様のお宅が遠かったことに今回ばかりは助けられました。
S様最後の本日は、偶然にもS様米寿のお祝いの日でした。
「ここに来れて良かった。ありがとう。ありがとう。」
S様、こちらこそ有難うございました!!
私達はS様がレッツを愛し、通所下さったことを誇りに思います。
想いは必ず通じます。
私たちは素敵な出会いと別れを繰り返していくことになるのかもしれません。
『一期一会』
これからもかけがえのない出会いを大切にしていきたいです。
(松野)